2026/03/23
【家族が後見人になれるとは限らない?】

皆様、こんにちは。ハウスドゥ箱崎です。
前回は、親御様が認知症になった際、実家などの不動産が売却できなくなる「資産凍結」のリスクと、それを解消するための「成年後見制度」についてお話ししました。
本日は、この成年後見制度を利用する前に絶対に知っておくべき「費用」と「誰が後見人になるのか」という厳しい現実について解説いたします。私たち相続診断士がご相談を受ける中で、最も誤解が多いのがこの部分です。
「長男である私が後見人になります」は通らない?
親が認知症になったのだから、面倒を見ている子供が後見人になって、実家を売却して介護費用に充てよう。多くの方がそう考えます。
しかし、家庭裁判所に成年後見の申し立てを行っても、必ずしもご家族が選ばれるわけではありません。現在、親族が後見人に選ばれるケースは全体の約2割程度にとどまっています。残りの約8割は、司法書士や弁護士、社会福祉士といった「専門職」が家庭裁判所によって選任されているのです。
特に、親御様に一定以上の預貯金がある場合や、ご兄弟間で意見の対立がある場合、そして「不動産の売却」を予定している場合には、第三者である専門職が選ばれる傾向が非常に強くなります。
専門職後見人には「毎月の報酬」が発生する
専門職が後見人に選ばれた場合、親御様の財産から毎月「後見人報酬」を支払い続けることになります。
財産の額にもよりますが、おおよそ月額2万円〜6万円程度が相場です。これが親御様が亡くなられるまで、仮に10年続けば数百万円という大きな負担になります。
「実家を売って介護費用を作るはずが、後見人への報酬で財産がどんどん減っていく…」という事態になりかねないのです。また、専門職後見人は「本人の財産を守る」ことが仕事ですから、ご家族が良かれと思って提案した実家のリフォームや、孫への教育資金の贈与なども、原則として認められなくなります。
制度を利用する前の「見極め」が肝心
成年後見制度は、親御様の財産を守るための立派な制度ですが、ご家族の負担や制限も大きいのが現実です。「とりあえず申し込もう」は大変危険です。
だからこそ、制度を利用すべきかどうかの見極めや、認知症になる前の「その他の選択肢(家族信託や任意後見など)」を知っておくことが不可欠です。
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司法書士 やなぎはら合同事務所
金源成大(かねもと しげとも)先生